サーチファンドとは!? スモールプライベートエクイティ投資のすすめ!

サーチファンド(Search Fund)とは!?

サーチファンドとは、プライベートエクイティ(未公開株式)投資のひとつの形態で、「経営者を志す人材が、自ら経営したい企業を発掘し、投資家の支援を得て、対象企業の経営権を取得し、同社の企業価値向上を実践する」ものとなります。

一人あるいは二人の経営を志す人(サーチャー:Searcherという)が、会社の発掘から、投資家の発掘・支援要請、経営権の取得交渉、取得後の会社の育成=企業価値向上、会社を次のステージに引渡すところまで全部実行する、スモールプライベートエクイティ投資となります。

日本ではあまり馴染みのない言葉ですが、欧米では、MBA(Master of Business Admiration:経営学修士)取得後のひとつのキャリアとして、近年、同モデルによるアントレプレナーは増加しています。

スペイン発祥のIESEビジネススクールが、スタンフォード大学経営大学院と共同で投資件数・傾向や投資後の収益率などの研究が進めると同時に、国際カンファレンスの開催などその普及に努めています。また、サーチファンドの入門書(Search Fund Primer)も学術的使用を目的に無償配布されています。

その、サーチファンドの入門書によると、2018の実績では、運用期間10年で内部収益率(IRR):33.7%、投資マルチプル:6.9倍とのことです。ファンドに求められる運用成績の基準が内部収益率(IRR):20%ぐらいなので、まだまだその取組みは広がっていくと思われます。

※詳しくは、こちらを参照ください。IESEビジネススクールスタンフォード大学経営大学院

一方で、日本の現状はというと、サーチファンドのアクセラレータ組織や個人的な取組・有志によるネットワークが形成され、地方銀行グループによるファンドが組成され投資が実行されているケースが一部見受けられますが、まだ市民権を得るには至っていない状況と言えます。

※これらの取組に興味のある方は、是非、「サーチファンド」で検索をしてみてください。

サーチファンドのメリット・デメリット!

さて、このサーチファンドの利点ですが、最大のポイントは「経営者を志す人材が、自ら運営したい会社を探し、経営すること」があげられます。

自ら探すということは、対象企業の属する業界や競合関係の調査からはじまり、どのように経営するのか、どのような成果を達成するのか、等をすべて考案し、利害関係者へ説明し合意を得られなければ、事が進みません。

しかし、いざ、案件が進むときには、利害関係者の総意を得て、大きな求心力と推進力をもって高い成果を得られる可能性が高まることとなります。

反面、その限界・制約(デメリット)は、サーチャー=経営人材の能力に大きく依存してしまうこととなります。

譲り渡す側から見れば、自身が経営するより上手く経営できる見通しや譲渡条件がクリアにならないと譲渡をしたくないでしょうし、投資家側も要求する期待利回りが低ければ投資実行に至らないこととなります。

案件発掘能力や中小・小規模企業の経営能力を満たすサーチャーの出現・成功事例が本モデルの普及の鍵となることは言うまでもありませんし、同時に、そのアクセラレータ組織も重要な役割を担うこととなるでしょう。

起業するには、何かそのビジネスをしたいという動機やアイデアが必要となりますが、そもそも人には、アイデアを発想するのが得意な人や、会社の業績を伸ばすのが得意な人、大組織をまとめてひきいるのが得意な人など、向き不向きがあります。

スタートアップアイデアはないが、スモール組織を成長させることが得意な人や大組織の役割のひとつではなく、全部自身で責任をもって実行したいタイプの人には向いている形と言えます。

中小企業の事業承継への期待!?

昨今、日本でも経営者の高齢化・廃業に伴う、経済への影響が大きく取りざされています。中小企業庁の公表資料によると、現状のまま後継者問題を放置すると2025年までの累計で650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があるとしています。

さらに、今後は、日本の生産性向上に向けて、中小企業の合併・統合を促進し、規模の経済や範囲の経済を追求し、生産性を高めることに対する支援強化策がうち出されて行くと思います。

中小企業の事業承継のひとつの在り方として、サーチファンドモデルによる中小企業の事業承継は、十分に検討できる余地があると思われます。

※中小企業の事業承継に関しては中小企業庁HPをご覧ください。

サーチファンドモデルによるプライベートエクイティ投資!

弊社は、企業価値向上のコンサルティング及びエグジット戦略の策定・実行をサービスとして実施しておりますが、サーチファンドモデルによるプライベートエクイティ投資も実施しています。

プライベートエクイティ投資とは、未公開に対する投資で、①ベンチャーキャピタル、②グロースキャピタル、③バイアウト投資、④ディストレス投資に分類されます。

上記のうち弊社が対象とするのは、②グロースキャピタル③バイアウト投資④ディストレス投資のプライベートエクイティ投資となります。

具体的には、成長余力のある優良事業で、事業承継に課題のある企業、あるいは、財務課題のある企業を対象に、その課題解決及び企業価値向上を実践するものとなります。

本事業推進に際しては、事業承継・M&Aに従事する皆様との協力・連携が不可欠です。興味関心をお持ちいただいた方は、お問い合わせいただければ幸いです。

プライベートエクイティ投資募集要項はこちらからご覧ください。

協力・提携にご関心のある方はこちらをご覧ください。

この記事のまとめ

以上、この記事では、中小企業の事業承継に潜在的な可能性を秘めたサーチファンドについて書きました。

ポイントをまとめると以下となります。

  • サーチファンドモデルとは、経営を志す人材が、自ら経営をしたい会社を発掘し、投資家の支援を得て、経営権を取得し、同社の企業価値を向上させるモデル
  • サーチファンドモデルの成功には、案件発掘力と小規模企業の経営力を併せ持つサーチャー=経営人材が重要
  • サーチファンドモデルは、中小企業の事業承継に活用できる潜在的可能性を秘めている
  • サーチファンドモデルによるプライベートエクィティ投資の弊社取組内容のご紹介

弊社では、企業価値向上に向けた、各種経営コンサルティングサービスを実施しています。

よろしければ、弊社サービスもこちらからご覧ください。

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